2019年6月27日(木)の講座
テーマ:宝石のマナー・真珠のお話
講 師:自己分析のコミュニケーション講師 工藤眞希子さん
6月の誕生石、真珠。つややかで上品な輝きは女性ならずとも魅了されますが、フォーマルなイメージが強くて普段使いが難しいと感じている人もいるのでは。講座では、自己分析のコミュニケーション講師・工藤眞希子さんから、真珠の歴史や、質の見極め方、マナーなどについて教えてもらいました。
元々、宝飾関連の仕事をしていたという工藤さん。仕事を通して身に付けた対人スキルやコミュニケーション術を生かして、現在は各地で講座や講演活動を行っているそう。当日も、G20開催で厳戒態勢の大阪からまっすぐ会場入りされました。
まずは、真珠についての基礎知識を。
日本の真珠の歴史はとても古く、万葉集の歌にも真珠が登場するそう。また冒険家マルコ・ポーロは自著「東方見聞録」の中で、ヂパング(日本)はバラ色の真珠を多く算出する国と記しているのだとか。近代以降、御木本幸吉さんが真珠の養殖方法を発見したことをきっかけに、日本が世界最大級の真珠の産地になったことはみんなが知るところです。
真珠は、アコヤガイの中でカルシウムとたんぱく質の層が何層にも重なって大きくなっていくのだとか。その層の重なり具合によって輝きが増すといいます。
「真珠は、形、照り(輝き)、色によって価値が決まります」。真珠は色も形も大きさもさまざま、そこから粒ぞろいのネックレスを作るのはまさに職人技!日本の真珠産業のすごさを感じます。
続いて、真珠の身に付け方。
真珠は、粒の大きさやネックレスの長さによって周囲に与える印象が変わってきます。つまりTPOに合わせて身に付け方を変えるのが、マナー。午前中は首回りを彩るチョーカーやプリンセスタイプ、ドレスアップする夜は胸元までの長いオペラやロープタイプ。さらに自分の体型や首の太さに合わせて長さを調整するといいそうです。
今はこういったマナーに関係なくオシャレを楽しむ傾向にありますが、大人としてこういった知識を心得ておきたいものです。
「真珠には『人魚の涙が真珠になった』という言い伝えがあります。葬式で真珠を身につけることで『涙が連なるほどの悲しみ』を表しています」と工藤さん。さらに真珠にはもう一つ大切な役割が。「本来は、最も格式高い五つ紋の着物やローブモンタントが正装。でも今の一般的な礼服の形は格式が低い。大事な葬儀に格の低い服は失礼なので、真珠を身に付けて格を上げるという意味もあるんです」。
ほかにも、真珠のお手入れ方法や保管方法、イミテーションの見分け方、カジュアルに身に付けるコツなど、内容は盛りだくさん。
受講生のみなさんも、知識を深めたことで、より真珠に魅了されたようでした。