2019年5月20日(月)の講座
テーマ:懐かしのアコーディオンの調べ
講 師:クラシック音楽コーディネーター 及川淳さん
毎回、一つテーマに沿って名曲・名演奏を楽しむ、クラシック音楽コーディネーター、及川淳さんの人気講座シリーズ。今回のテーマは、アコーディオンです。昭和〜平成の長きにわたって、のど自慢やバラエティー番組など多方面で活躍し「アコーディオンおじさん」と親しまれた、故・横森良造さんの演奏をたっぷり楽しみました。
はじめにアコーディオンという楽器についての説明がありました。日本語訳にすると「手風琴(てふうきん)」。ふいごで風を送り音を鳴らす仕組みで、1820年代のウィーンで現在の形が作られたのだそう。
蛇腹のふいごで音を出す似たような楽器に「バンドネオン」というものがありますが、アコーディオンが鍵盤で音階を出すのに対し、バンドネオンはボタンを押して音階を出すのだそうです。
まずはロドリゲス作曲の「ラ・クンパルシータ」から鑑賞。曲のタイトルにピンと来なくても、タンゴの曲といえば誰しもが思い浮かべる、あの名曲です。続いてシャンソンの名曲「ラ・メール」、エノケンの♪俺は村中で一番モボだといわれた男〜のおどけた歌詞でおなじみの「洒落男」、運動会のかけっこのBGMでもおなじみ「クシコスの郵便馬車」(ちなみに「クシコス」自体に郵便馬車という意味があるため、「クシコスの郵便馬車」を正確に訳すと「郵便馬車の郵便馬車」となってしまうのだそう!)、映画「シェーン」のテーマ曲、昭和の大ヒット曲、尾崎紀世彦さんの「また逢う日まで」などなど、聴きなじみのある14曲を、及川さんの解説とともに鑑賞しました。
驚くのは、音色の表情の豊かさ。クラシック、ポップス、歌謡曲とそれぞれ異なった趣を、たった1つのアコーディオンで弾き分けていて、あらためてアコーディオンという楽器、そして横森さんの演奏のすばらしさに感動した1時間でした。