2017年8月25日(金)の講座テーマ:時計師が教える「腕時計、ここだけの話」講 師:WOSTEP認定時計技能士 西 貞夫さん
本日は、時計の歴史の話しよりも面白いエピソードを交えながら皆さんにお話ししたいと思います。
西さんは10年程、高級時計店で働いた後、レザー関係の仕事を経て現在の職場で技術指導者として働いています。
一番古い時計は「日時計」と言われており、その名残で今の時計も右回りなんです!時計が作られた場所が北半球だったので、もしかすると開発者が他の場所で作っていたら逆回りになっていたかもしれませんね。普段、当たり前で気にしていない事にも歴史があることを伝えると受講生の皆さんも興味深々な様子で西さんの話に釘付けになっていきました。
時計も水時計や砂時計などなど様々な道具や知恵によって進化し続けてきました。そもそも時計とは「時間を知らせる機械」であり昔からその精度を上げるために目には見えない場所に沢山の人々の情熱が注がれているものなんだということが西さんの話から伝わってきます。時間をどれだけ細かく刻めるかによって、いつでも正確に時間を知ることが出来る。まず振動数を細かくすることを考え部品のすべてに様々な工夫をしていった為、摩擦を軽減するためにダイヤモンドやルビーが使われ性能を高めていきました。一秒間に何回動くか!そのシンプルなものでも10振動数に至るまで長い年月が費やされたそうです。そして進化は加速し水晶時計や音叉時計、原子時計、ストロンチウムなど今現在では光が使われ人のあくなき探究心はまだまだ終わりがない話へと進んでいきました。
ワクワクが止まらなくなってきましたので、ここで皆さんにお役立て出来る夏の腕時計トラブルについてお話しします。
①防水時計も水が入る
水深100mと記載されていてもネジ一つの閉め忘れやメンテナンス不足で浸水してしまいます。
防水でも時計を外せる場面があれば外しましょう。
私たち素人の考え方では当然すぐに壊れてしまうので、この手のトラブルやクレームは多いそうです。
②革バンド
服と同様、毎日同じものを着用してしまうと傷みやすいので2、3個日々交換しながら使用することをお勧めします。
ブレスレットはステンレスで錆びないというのが私たちの知識ですが実は「錆びにくい」というのが正しい知識だそうです。しかも表面が綺麗でも見えない場所のピンが錆び始めると切れてしまうことが稀にあるそうです。
③電池交換
簡単に考えてしまう電池交換ですが直接電池に触れたりすると指紋が付着しそこから錆てしまい壊れてしまうことも…
専門のことでしかも見えない個所!普段ないがしろにしている所も西さんのような技術指導者の方に一度話を伺ってみるのも新たな発見や自分の大切な時計を長く使えるヒントになるかもしれませんね。