2017年10月6日(金)の講座テーマ:亘理伊達氏〜400年の時を超えレイラインで繋がる亘理町と北海道伊達市
講 師:星の街仙台案内人 八代 峰さん
古くは大和朝廷時代から北の要所とされ、伊達政宗公によって開かれ発展を遂げてきた仙台・宮城。いまこの街の地図を眺めると、そこには先人たちの知恵と街づくりに込めた思いが、不思議な形となって浮かび上がってくるといいます。タピ大での講座は10回を越えた人気シリーズ、今回は亘理町と北海道伊達市の不思議な関係を、各地の史跡や地図から読み解きました。
まずは、この講座の基本となる「レイライン」についての解説。レイラインとは、いわば西洋の風水だとか。古代から重要な建物やスポットは、なぜか直線上に並んで配されているのが世界中に見受けられるといいます。代表的なレイラインとして、イギリスのグラストンベリーや、ストーンヘンジが挙げられるそう。そのレイラインは日本でも方々で発見されているといいます。最も有名で巨大な日本のレイラインは、近畿の五芒星。伊勢神宮や熊野大社など主要な5カ所を地図上で結ぶと巨大な五芒星が浮かび上がり、その中心には平城京があったのだそうです。
講師の八代さんは、仙台や宮城に隠されたレイラインを見いだし、仙台の街づくりに秘められたナゾや不思議を研究・解明しています。仙台でもっとも有名なレイラインといえば、「仙台の六芒星」。仙台市中心部の定禅寺通りと国分町通りとの交差点を中心に、大崎八幡宮や青葉城跡地などを結んで浮かび上がる星形のことで、この内容についてはすでに過去の講座で詳しく解説済み。ほかにも、八代さんは次々とレイラインを発見しています。そのレイラインを発見する手がかりの一つとなるのが、神社や寺、旧跡などに残る言い伝え。それぞれの歴史や言い伝えを地図上に置き俯瞰で見てみると、今まで気付かなかった関係性、つまりレイラインが浮かび上がるのだそうです。
宮城県南部に位置する亘理町は、かつては伊達成実が初代当主となった亘理伊達氏の所領。その後明治維新の際に藩を没収され、亘理伊達氏は北海道に移住、現在の北海道伊達市を開拓しました。ここまでは一般的によく知られた話です。しかし八代さんは、ここにもレイラインを見つけたといいます。北海道伊達市の駅前と、亘理町の亘理駅前を直線で結んだ縦のラインと、新潟県佐渡島と石巻市網地島に隣接する佐度島を結んだ横のライン、そのクロスライン上になんと伊達家ゆかりの重要な史跡が並んでいるというのです。「このことは行政(伊達市、亘理町)も気付いていないはず」と八代さん。現代のように人工衛星も精密な測量機器もない時代に、このような正確で不思議な街づくりができたとは!偶然ではあり得ない事実に、ただただ驚くばかりです。
これほどまでに綿密に計画されてつくられた仙台の街ですが、街づくりに関する資料などがほとんど存在しないとか。その理由を「最高軍事機密で記録できなかったのでは」と八代さん。「仙台は呪術都市、風水都市。こうやって見ていくと、とてもすごい街なんです」。1時間では語り尽くせないこのテーマ、続きは次回の講座のお楽しみということになりました。ちなみに来年には、今回のテーマでもある亘理町の名所旧跡や伊達家ゆかりの地を巡る「レイラインバスツアー」も企画されているそうですよ。