2017年7月14日(金)の講座テーマ:世界がかわる大工のつくり方講 師:NPO法人匠の右腕 代表理事 (有)栗駒建業 代表取締役社長 髙橋 渉さん
本日は、近年大工職人の高齢化が進み、少なくなってきている中で、高橋さんの経験談を踏まえながら、大工職人の重要性や育成法などについて、お話ししていただきました。
現在2代目の社長としてお仕事をされている高橋さん。会社独自の家づくりではなく、お客様のニーズに沿った完全オーダーメイドの家づくりをモットーにしているのだそうです。
そんな高橋さんは、東日本大震災をきっかけに世界が変わっといいます。大工職人不足の中、応急処置で1年以上持たせなければならず、また復旧作業は仮設足場のない命がけの作業となり、復旧には職人の技術、そして地元の職人が必要だと痛感したのだそうです。
東日本大震災の経て、高橋さんは以下のことに取り組んでいるとお話ししていただきました。
・物造りから者造りへ(匠の技を高齢者技術者から若者へ伝承する)
・職人の地位確立(職人が社会的役割を自覚し生活水準を向上していく為の道筋をつくる)
・被災地の継続的な雇用創出 (若者が技術と経営を学び、被災地で雇用を生み出す)
・完全地産地消
(地元で育った職人が地元の木材をつかい、地元の家をつくる)
そん中、65歳以上で現場作業が厳しくなる世代の方々の高い技術力、そして道具一式を揃えている方の多い高齢技術者の雇用や、幼い子供たちへ職業体験や学生への直接指導を経て積極的に若者も雇用することで、高齢者と若者を融合させ、それぞれの労働時間の軽減や、次世代への技術の継承、共同で作業することで高齢技術者を重労働から解放し、そこから過疎地域の町おこしや、観光資源へとつなげていきたいという展望をお話ししていただきました。
大工は1000年以上も技術を受け継ぎ進歩させてきた一人一人が1000年企業であり、その技術は護るものではなく継ぎ足しながら次世代に伝えるのことが、大工の役悪であり使命だと、大工職人への想いを熱くお話ししていただきました。