2016年11月18日(金)の講座
テーマ:あなたの知らない長唄三味線の世界
講 師:三味線演奏家 齊藤藍耶さん
日本の伝統音楽に欠かせない和楽器、三味線。
でも、三味線の生演奏をじっくり聴く機会は意外と少ないのではないでしょうか。
今日の講座では、東京や仙台を中心に、三味線演奏家として、また講師として活動されている齊藤藍耶さんの生演奏を聴きながら、三味線について学びました。
講義は、まずは1曲、先生の歌と演奏からスタート。
続いて、三味線の種類や部位の名称など、基礎知識を教えていただきました。
三味線は、棹(ギターのネックにあたる部分)の太さによって大きく3種類の分けられるそう。
先生が専門とされる「長唄三味線」は、棹が細く、バチは象牙製で大きさも小ぶりなのだそう。主に歌舞伎音楽などに使用されるといいます。
ちなみに、力強い演奏で世界的に人気の「津軽三味線」は、太棹で、バチの先端にべっ甲が付いているのだとか。
歌舞伎では、三味線の音は、場面の情景を表す重要な役割を担っているといいます。
ここで先生が一節弾き、それが何の情景を表しているかをクイズ形式で出題。
受講生の皆さんも、目をつぶって集中して演奏を聞いて、思い思いに答えていました。
続いて、チューニングについて。
三味線の場合、基本は「本調子」、華やかな雰囲気の「二上がり」、しっとりツヤのある「三下がり」の3つ。
本調子の例として「松の緑」、二上がりの例として「花見踊り」、三上がりの例として「明の鐘」を演奏。それぞれの曲にまつわるエピソードなどもお話してくださいました。
ちなみに、三味線の「本調子」が、私たちが普段使っている「調子がいい」という言葉の語源になっているという説もあるそうです。
後半は、受講生の中から代表して1名が、齊藤先生の楽器を借りて実際に演奏を体験!
「さくらさくら」のワンフレーズに挑戦しました。
最後は、先生の演奏を数曲。
三味線の繊細な響きと、生演奏ならではの迫力に、みなさん聴き入っていました。
あまり触れる機会の少ない邦楽ですが、実際に聴いてみると意外と聞き覚えのあるフレーズも多く、三味線を身近に感じることができた一時間でした。